日本の現在の法律を厳密に適応するなら、ここは放射線管理区域に指定しなければなりません。わたしは京都大学原子炉実験所で働いているので、時々、放射線管理区域に入ります。入りますが、入った途端、水を飲んだり、ものを食べたり、そこで寝たりしてはいけないと言われ、仕事を終えたらさっさと出て、出る時には汚れているかどうかを調べ、ある汚染度以上に汚れているものは持ち出してはいけない、と決められています。 みなさんの住む福島県の東半分は大地そのものがみんな、その基準を超えています。わたしはこれまで、放射能を扱う時に汚染を区域の外に広げないようにしようと、注意してきました。日本の法律には「そうしろ」と書いてあったのです。管理区域の中だって、放射能の汚染のないようにと努めてきました。 ところがここは、わたしがそうやって管理をしてきた区域よりはるかに汚れている。管理区域と普通 の場所の汚染度が逆転してしまってい