ブックマーク / www.anlyznews.com (4)

  • 無知を晒しているある経済学批判について

    経済学が科学ではない、たった1つの根的な理由』と言うエントリーが人気になっていた。典型的なパターンなのだが、経済学に対する無知によって構成されている。 問題のエントリーは、科学は(=事実解明的)な側面しかないのに、経済学は実証的な側面と規範的(≒道徳的)な側面があり、用語定義からして規範的な要素を抱えていると批判している。実証的な部分をとれば科学的とも言えるだろうし、用語定義の段階から規範的になっているわけではないから、不正確な主張になっている。 1. 実証的な部分を見れば科学的 経済学では「~はこうなりますよ/~はこうですよ」と言う実証的な議論と、「~はこうあるべきですよ」と言う規範的な議論の見分けは明確につけましょうと言う事になっている。例えば貧乏な家庭の子供に就学前教育を施すと生涯所得が増えると言うのが実証的な議論だが、それで特にメリットの無い金持ちから税金を取り上げてそれを行う

    無知を晒しているある経済学批判について
  • 地球温暖化対策として鉄散布は無駄でした

    地球温暖化への対策としてジオ・エンジニアリングと言う発想がある。例えば、光合成を行い二酸化炭素を吸収するプランクトンが死ぬと海底に堆積するのだが、硫酸鉄を配布して人工的にプランクトンを増やしてしまえば、二酸化炭素が大量に吸収されると言うものだ。これを実際に米国のビジネスマンが無断で実験を行い物議を醸したりしていた*1のだが、最近の研究によると無駄らしい。 まず、プランクトンは鉄だけではなく窒素も必要としているのだが、鉄だけ供給すると海中の窒素を急激に消費してしまい、その数を十分に維持できないようだ。英国とノルウェイと南アフリカの研究者の調査によると、2010年のアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火の後に鉄分が光合成プランクトンを大量発生させたのだが、すぐに窒素不足で死滅したらしい(POPSCI)。 次に、米国のジョージア工科大学の地球科学者であるEllery Ingall氏ら

    地球温暖化対策として鉄散布は無駄でした
  • 銀座で働くデータサイエンティストのモデル選択について

    『今さら人に聞けない「重回帰分析の各手法の使い分け」 』と言うブログのエントリーがあって、一般化線形モデル(GLM)の使い分け(Rの関数glmとパッケージMASS)の説明がされているのだが、理系実験室から出てきた人のせいか、色々と怪しく感じる所がある。純粋文系プログラマとして問題点を指摘してみたい。 1. 離散データだから最小二乗法が使えないわけではない 全体として、モデルの説明がおかしい。推定モデルの使い分けが良く分かってい無い気がする。問題のエントリーには、『クリック数という「カウントデータ=離散値データ」』だから『普通の線形回帰』と表現されている一般最小二乗法(OLS)は正しく推定できない可能性があるので、ポアソン回帰モデルや負の二項分布回帰モデルにしようと言っている。しかし、離散データでもプロビットのような二項/多値選択モデルであったり、切り落としのトービット・モデルで無い限りは、

    銀座で働くデータサイエンティストのモデル選択について
  • ネットを始める前の子供に読ませたい「詭弁論理学」

    「詭弁論理学」は論理的に誤りのある議論の仕方を、平易に記述、紹介しているだ。中高生向きの推薦図書にしたいと思うは少ないのだが、これは正にそういうだと思う。 ウェブに限らずインターネットでは常に情報を判断して咀嚼する必要があり、子供が正しく情報を吸収できるかは、保護者の心配事の一つであろう。書は、ある種の言説に騙されないリテラシーが身に付きそうなになっている。 1. 強弁術と詭弁術 四章で構成されており、第Ⅰ章で強弁術と詭弁術を分類したあとに、第Ⅱ章で強弁術、第Ⅲ章で詭弁術、第Ⅳ章で代表的な論理パズルとパラドックスを紹介している。強弁術が非論理的な無理押しで、詭弁術が論理的な主張の誤りになるそうだ。ただし、両者の区切りは明確ではなく、二分法や相殺法などどちらとも言えない話法もある。 2. 詭弁術の章が軸 強弁術の章は著者の個人的な恨み経験が多く紹介されており、詭弁術の章は一般的な事

    ネットを始める前の子供に読ませたい「詭弁論理学」
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