『経済学が科学ではない、たった1つの根本的な理由』と言うエントリーが人気になっていた。典型的なパターンなのだが、経済学に対する無知によって構成されている。 問題のエントリーは、科学は(=事実解明的)な側面しかないのに、経済学は実証的な側面と規範的(≒道徳的)な側面があり、用語定義からして規範的な要素を抱えていると批判している。実証的な部分をとれば科学的とも言えるだろうし、用語定義の段階から規範的になっているわけではないから、不正確な主張になっている。 1. 実証的な部分を見れば科学的 経済学では「~はこうなりますよ/~はこうですよ」と言う実証的な議論と、「~はこうあるべきですよ」と言う規範的な議論の見分けは明確につけましょうと言う事になっている。例えば貧乏な家庭の子供に就学前教育を施すと生涯所得が増えると言うのが実証的な議論だが、それで特にメリットの無い金持ちから税金を取り上げてそれを行う