【ベルリン=黒沢潤】ドイツ東部のケッツィンで、地球温暖化の一因となる二酸化炭素(CO2)を地中の岩盤に注入し、長期にわたって貯留する「封じ込め」作戦が展開されている。 欧州連合(EU)が支援する欧州最大級の実験事業で、地下約650メートルの地点にある多孔質の砂岩に、今夏から1日当たり、約50トン注入している。 2009年までに6万トン前後を注入する予定で、今後、貯留がもたらす地中内の変化を詳細に調べる。一部の専門家からは、CO2の注入により、有害なガスが発生するとの指摘も出ているが、これまでの観察では、そうした危険性はないという。 「ポツダム地球科学センター」(GFZ)のファービアン・ムラー技術員(34)によれば、欧州各地の土壌には、50〜100年間CO2を注入できる量の岩盤があるとされ、いったん注入すれば、「1000〜1万年は貯留可能」(独誌シュピーゲル)とみられる。 京都議定書によれば