《湾岸戦争・イラク戦争編》 日々洪水のように垂れ流されるニュース。 しかしこれらは、単なる「事実の断片」にすぎない。 「事実」が『真実』を語っているわけではない。 「事実」は慎重に加工されている。 メディアは、国民に奉仕する機関ではなく、国家権力に奉仕する機関にすぎない。 ──油にまみれた水鳥── メディアが大騒するニュースは、たいてい相当な悪巧みが隠されている。 代表的な例が、湾岸戦争のときの「油にまみれた水鳥」の映像だ。 石油の海と化した波打ち際に、全身石油まみれの真っ黒の水鳥が弱々しく立っていた。いや、呆然と立っていたといった方がいいかもしれない。 当時、メディアはサダム・フセインの「環境テロ」だと大騒ぎした。フセインがわざと油田の油を海に「放出」していると報道された。環境は破壊され、海の生物が犠牲になっていると。油にまみれた水鳥の映像は、大きな訴求力を持った。水鳥の映像は世界中をか