安倍晋三首相は9日、長崎の被爆者5団体と長崎市で面会した。平和祈念式典で田上富久・同市長が述べた「平和宣言」に続き、ここでも安全保障関連法案への強い懸念が被爆者団体から示された。安倍首相は「戦争を未然に防ぐためのもの」と従来通りの見解を述べ、議論はかみ合わないままだった。 式典は面会に先立ち、同市内で開かれた。田上市長が平和宣言で、政府や国会に安全保障関連法案の慎重な審議を求めると、参列者から拍手が起きた。被爆者代表の谷口稜曄(すみてる)さん(86)が法案を「許すことはできない」と述べた場面でも、拍手が続いた。 昨年の平和宣言でも田上市長は、集団的自衛権の行使容認について「不安と懸念が、急ぐ議論の中で生まれている」と指摘し、こうした声に耳を傾けるよう政府に強く求めた。 被爆地では、今回の法案への懸… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員