「経営者の仕事は、跳ぶことにある」と述べたのはかつての松下電工(現パナソニック)を率いた三好俊夫会長である。客観的で論理的な戦略で経営を続けると、足をすくわれるという。その真意とは――。 人は、いつも現実の延長線上に物事を考える習性を持っている。「今、原稿を書いている書斎のドアを開けると、廊下ではなく、もしかしたら崖になっているかもしれない」などと考え出したら、人は一瞬たりとも生きてはいけない。昨日あったように今日があるし、今日あったように明日がある(はず)と考えるのは、生きる知恵でもある。 しかし、組織の経営者がそんなふうに考えていては、その組織は持たない。今、この書斎のドアを開けると想像もできない世界が広がっているかもしれないと、常々気に留めていないといけない。その意味では、厄介な仕事なのだ。 昔、超優良会社の松下電工(現パナソニック)を長きにわたって率いた三好俊夫会長は、「経営者は、
マイクロソフトが都内で開催中のウェブ開発者向けカンファレンス「ReMIX Tokyo 09」。基調講演では、MicrosoftでSilverlightの開発を牽引するScott Guthrie氏が登壇。Silverlight 3を聴衆にアピールした。 Silverlight開発では当然、開発者も重要だが、デザイナーもまた同じように大切な存在となる。Guthrie氏は壇上に大阪大学大学院 工学研究科 教授で、デザインディレクターの川崎和男氏を招いた。 PCが前提のコンピューティングは消え去る 川崎氏の講演テーマは衝撃的だ。「コンピュータは消えていきます」――マイクロソフトが顔を歪めかねないタイトルの講演なのだ。川崎氏によれば、OSはなくなり、コンピューティングはもっと違ったかたちを見せるようになるという。 川崎氏はGordon More氏、Paul A. Vixie氏、William J.
これまでずっとなるべく言わないようにしていたのだが、もう平たく/明快に言うことにしました。 1)日本はもう立ち直れないと思う。 だから、 2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。 これまでは、1)は言わずに、2)だけ言ってきた。で、「海外で働く」の中でも、私が知っている「シリコンバレーで働く」ことの楽しさ、働くための方法をなるべく具体的に紹介するようにしてきた訳なのであるが、前半も言うことにしました。その理由は、若い人に早く気づいて欲しいから。年を取ったら駄目、というわけではないが、扶養家族が増えて、引退までの年数の方が働いてきた年数より短くなってきたりすると、みるみると進路変更は大変になる。ところが、多くの人が「もはや国内に機会はない」と気づく頃には、そういう「進路変更大変状態」になってしまっていることが多い訳です。 というわけで、明言することにした次第。 (後日
金融資本主義は、イノベーションを停滞させた――。技術イノベーションに造詣が深く、世界中の大企業のMOT(技術経営)に助言してきたジョルジュ・アウーIMD教授は、こう力説する。 曰く、短期のリターンを狙う金融業界の「流儀」が企業経営を席巻し、技術イノベーションは「パラドックス」に陥った。富を生む装置であるべきの企業が、短期の利益を追うマネーゲームのプレーヤーと化したのだ。 金融危機のインパクトは「ベルリンの壁の崩壊並み」と言う。金融危機により、「富」の意味が再定義され、今後の企業経営やイノベーションに、プラスの変化が起こる可能性がある。そう期待する一方で、多くの痛みを伴う変化の果て、ポストサブプライムの世界を待ち受ける「危うさ」を、アウー教授は懸念する。 (聞き手は日経ビジネスマネジメント 広野 彩子) 私は、技術とイノベーションを研究する学者で、金融に関しては専門家ではありませんし、金融工
前回の続き。書く時間が取れぬ間に、事態は急速に進んでおり、たかだか数日で実態と異なる記述になっているかもしれないが、それこそが読み手も書き手もいまを生きている証左だということで。 米国の今後 米国が拙いということは前回書いたとおり。G7、ではなくG20による協調や、金融機関への公的資金注入、またインターバンク取引の保証など、一連の施策によって、目の前の危機はひとまず回避された格好だが、それとてカンフル剤に過ぎないと考えている。正直、年内持つとさえ思えない。 たとえば相変わらずGMあたりはいつどうなってもおかしくない。また投資銀行はひとまず一服したように見えるが(もちろん見えるだけだが)、今度はJPモルガンやシティなど商業銀行の一部が怪しい。投資銀行の銀行への看板掛け替えが話題になっているが、そもそもクリントン政権下でグラス・スティーガル法が事実上撤廃されて以降、商業銀行と投資銀行の垣根は取
「Googleって、やっぱ一発屋かな?」と、同僚のクリント・ボールトンが聞いた。わたしは答えた。「ネタは尽きたね。もうGoogleのマジックは終わりだよ」 「Googleって、やっぱ一発屋かな?」と、同僚のクリント・ボールトンが聞いた。わたしは答えた。「ネタは尽きたね。もうGoogleのマジックは終わりだよ」 クリントが言いたかったことは、検索広告の収益のことだ。完全な独占企業でもない限り、Googleのビジネスが持続可能であるとは思えない。もっとも、利用者数で見れば、Googleは間違いなく検索分野のリーダーではある。そしてその状況はしばらく変わらないだろう。実際、Googleは2003年以来、着実にシェアを拡大している。 しかし、検索シェアと検索広告収益は必ずしも連動しない。一般的には、どちらか一方が伸びれば他方も伸びると思われているが、MicrosoftやYahooの失敗を見れば、一
2007/11/26 マーク・アンドリーセン氏が2007年9月16日のブログエントリで、非常に興味深いことを書いている。Web上に登場した3種類の“プラットフォームについてだ。 アンドリーセン氏のことを忘れてしまった読者、あるいはよく知らない若い読者のために氏の来歴を少し書いておくと、アンドリーセン氏は世界で初めて広く普及したWebブラウザ「Mosaic」(モザイク)を作ったことで知られている。1993年にネットスケープコミュニケーションズを共同で設立。1995年の同社IPO以後、ドットコムバブルまでの間は米TIME誌のカバーを飾ることもあった時代の寵児だった。 アンドリーセン氏は、その後もいくつかのスタートアップで成功を重ね、2005年には参加者が自由にSNSサイトを構築できる一風変わったソーシャルネットワークサービスのプラットフォーム「Ning」を提供する同名のベンチャー企業を創業して
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