おびただしい数の古代の墓が集まっているエジプトのリシュト。およそ4000年前の中王国での生と死について手掛かりが得られるかもしれない。(PHOTOGRAPHY BY SARAH PARCAK) はるか昔の共同墓地が、数千年にわたって砂漠の下に潜んでいた。場所はエジプト北部、アルアイヤートのすぐ南にあるリシュトの村の近くだ。サハラ砂漠の端に位置する古代の墓地は、隠れた場所にあるわけではない。墓地の北と南に2基のピラミッドがそびえているからだ。 しかし、ここにある古い墓の多くは、現在まで長いこと砂に覆い隠されていた。 米アラバマ大学バーミングハム校とエジプト考古省は、1シーズンの共同調査によって、リシュトにある802基というおびただしい数の墓を精密な地図にまとめた。ハリド・アナニ考古相、エジプト考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長の発表によると、新たに記述された墓はおよそ4000年前のも