東京都の関係者は「『都』が二つできる事態はひとまず避けられた」と安堵(あんど)している。 大阪都構想では、大阪市が解体された後に誕生する新たな4特別区は中核市並みの権限を持つとされる。東京の23特別区は一般市並みの権限で、ある都幹部は「住民投票で賛成多数となれば、23区で権限の強化を求める機運が高まることを懸念していた」と明かす。 別の都幹部は、都構想への賛成が多数となり、「大阪府」から「大阪都」への名称変更に至れば、首都機能分散の議論が再燃する可能性があったと指摘する。この幹部は「大阪都が誕生すれば、日本に首都が二つあるように見える」とし、「東京の首都機能を分散すれば日本の活力をそぐことにもなりかねない」と話した。