・「われわれはわれわれにとって必然的にどこまでも見知らぬ者なのだ、われわれはおのれを理解しない、われわれはおのれを取り違えざるをえない。」(360) ・「人間はいかなる条件のもとに善悪というあの価値判断を考えだしたか?しかしこれら価値判断それ自体はいかなる価値を有するか?」(363) ・「[〈よい〉という]判断のおこりは、〈よい人〉たち自身にあった。すなわち高貴な人たち、強力な者たち、高位の者たち、高邁な者たち自身にあった。こうした者たちが、あらゆる低級な者・下劣な者・野卑な者・賤民的な者に対比して、自己自身および自己の行為を〈よい〉と感じ〈よい〉と評価する、つまり第一級のものと感じ、そう評価する。この距離のパトスからしてはじめて彼らは、価値を創造し価値の名を刻印する権利を自らに獲得したのである。功利など彼らの眼中にはない!まさにこのように順位を定め、順位を分明ならしめる最高の価値判断が激