正月は、誰かが「これから正月をやる」と言わないことには、正月にならないということを知っているだろうか。 元旦、オールナイトイベントの仕事を終え、同行した家族と後輩と帰宅した私は、小腹が空いたのでカップラーメンを食べようとした。そこでハタと気がついた。「正月だ」と。 「年々正月らしさが無くなってきている」 巷間言われているが、それはそうだ。正月に腹が減ったからと言ってカップラーメンを食べようとするほどに現時点での正月の基準は緩いものとなってきている。私は正月に縛られない。 思えば、子供の頃の正月は得体の知れない、因習慣習のような縛りにがんじがらめにされていて、なんとも退屈なものであった。 お正月に行われる全てのものは形式ばっていて、大人から押し付けてくるものばかり、私にとっては、お年玉とお笑い番組以外は、おしなべて歓迎ならざるものだった。 ①おせちが嫌だ。 一見き