私はまちがいなく人生のレールから一度外れた人間だ。 一浪の末東京の国立大学に入学したまでは良かったが、そこからがダメだった。統合失調症を発症したのだ。 『首を切れ』という幻聴がガンガン頭に響く中での勉強は結構無理があった。病院に通い薬を飲みながら大学生活を送り、6年かかって卒業した。 卒業後はそのまま東京で一人暮らしは続けられないと判断し、実家に帰り小さな地元企業に就職した。しかし、薬のおかげで幻聴はだいたい治まっていたが、うつ病のようになる陰性症状が強く出てしまい、1ヶ月ももたずに会社を辞めた。 それから約2年、ひたすら寝て過ごした。起きていると体がだるく、心は重く、絶望しかしなかったので病院に通う以外はとにかく寝ていた。この先どうなるかなんて考える余裕はなかった。 しかし、2年のうちに陰性症状もだいぶ治まってきて、パートに出るだけの気力が湧いてきた。週3回のパートから始めて、2年弱。フ