ルービックキューブが発売になったのは、確か1980年だったと思う。私 も早速手に入れて、と思ったら、会社のほぼ全員が手にいてれ、熱心に遊んで 仕事に遅れが出た。少なくとも、皆で仕事時間にルービックキューブをいじっ ている姿は見せられなかった。 最初は、雑誌に解法が速報みたいな形で載ったりした。急激に流行し、テレ ビで競技会が催されたが、もちろん一時的な流行として過ぎ去った。 しかし、ルービックキューブは、非常に数学的に取り扱える。つまり、個々 の回転は置換操作である。要するに、置換群なのである。 本書の著者島内剛一氏は、数学者であり、コンピュータ科学者として著名な 先生である。そして、出版社は、あの「数学セミナー」でおなじみの日本評論 社である。したがって、本書の記述は、極めて数学的である。 しかし、決して堅苦しいものではない。いろいろな技、あるいは定理といえ るようなものを、図と数式をう