日本では、政治家の世襲は好ましくないとの批判が国民の間で強まり、一部の政党では選挙において2世の候補者を公認しない動きも出ている。 政治力が秀でているわけではないのに、親や親族から「地盤・看板・鞄」を引き継いで当選してしまう2世候補者がいる。これは日本の政治を劣化させる元凶だとして批判されている。 政治家の世襲問題は、何も日本に限ったことではない。社会主義の中国においても「2世」問題が浮上している。むしろ、日本以上に問題は深刻かもしれない。メディアがこの問題を広く取り上げていないだけである。 「2世」現象が格差を固定化する 中国社会は実力主義と言われてきたが、実際は実力よりも家柄の方がものを言うことが多い。 現在の指導部を見ると、大臣や知事クラス以上の幹部は「太子党」、すなわち、中国版「2世議員」が大きなウェイトを占めている。毛沢東と鄧小平は権力を親族に継承させなかったが、近年、指導部内で