2018年2月、ドイツのベルリンで開催された第68回ベルリン国際映画祭での記者会見 Denis Makarenko-shutterstock <中国外交部のスポークスマンが哀悼の意を表したほど中国でも愛された坂本龍一。あの時代とこの場所に生きる日本人だからこそ、作ることが可能だった『ラストエンペラー』の音楽について> 2023年3月に坂本龍一が亡くなった時、中国外交部のスポークスマンが定例会見で哀悼の意を表明した。そのニュースを見て、坂本が中国で愛されていることを初めて知った日本人が多かっただろう。 私もその一人だった。気になって調べてみると、坂本と中国には、1960年代の毛沢東主義への関心から始まる長い縁があるとわかった。日中の文化交流史としておもしろいテーマだと思い、「坂本龍一と中国」という論文を書いて大学の紀要に投稿した。 『アステイオン』99号の特集「境界を往還する芸術家たち」は、
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