トルコで通貨リラの暴落による物価高騰が市民の暮らしを直撃している。世界的な物価高で各国が金利引き上げを検討する中、トルコではエルドアン大統領が「金利は諸悪の根源」と主張して異例の金利引き下げに踏み切り、リラ安に陥った。だが、エルドアン氏は政策を変える姿勢を見せていない。 油や小麦粉「1カ月で2割値上げ」 「油や小麦粉はここ1カ月で2割以上も値上がりした。仕事に使うシャンプーなどの輸入品も高くなった」。最大都市イスタンブール市内で美容院を営むエロル・チュブックさん(58)は毎日新聞の取材にそう語った。チュブックさんによると、業者は今後の値上げを見込んで一部商品を売るのを控えており、砂糖などはスーパーで「1日2キロ」の販売制限があるという。 トルコ統計局によると、トルコの消費者物価指数(CPI)の伸び率は、2019年後半には前年同月比10%前後だったが、今年11月には20%超となった。背景には