ヒトは、いわゆる「可視光」ではない赤外線を視認できるようである。実際に赤外線を見た研究者がその謎に挑んだ。 Thinkstock 人類にはスーパーマンのXレイ・ビジョンのような透視能力はないものの、これまで考えられていた以上の能力があるようだ。ある条件下では、可視光の範囲にない赤外線を見ることができるという。この不思議な現象が起こる仕組みはほとんど分かっていないが、解明につながる研究結果がProceedings of the National Academies of Science1に報告された。目の中の1個の色素タンパク質に2個の赤外線光子が同時に飛び込むと、色素タンパク質に化学変化を引き起こせるだけのエネルギーを付与することになり、光が見えるようになるというのだ。 一般的にも視覚の科学においても、ヒトの目で見ることができる光の波長は400nm(青)から720nm(赤)までの間とされ、