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考古学と世界に関するaceraceaeのブックマーク (2)

  • 古代ローマ・トイレの落とし穴、その2

    2014年夏は、池口氏の科研の一環で、氏と共にポンペイ遺跡の「ユリア・フェリックスの地所」(II.iv.1-12:①)を訪れた。この大邸宅は多彩な壁画や高度な工芸品の出土で著名だが、私の見学申請箇所は脇目もふらず「トイレのみ」だったので、案内してくれた遺跡監視人は不審だったに違いない。みるべきものはもっと他にあるはずなのに、と。彼としては不満だったのだろう、もう一つのトイレ見学場所「メナンドロスの邸宅」(I.x.4)では、頼みもしないのに専用浴場と有名な銀器発見現場にわざわざ案内してくれた。さて、ユリア・フェリックスの大邸宅は、円形闘技場や訓練場の北西側の一角の、通常規模の街区(insula)2つ分を合わせた例外的な広さで、幹線道路「アポンダンツァ通り」沿いに「?」型に家屋が建てられ、半分以上を庭園・果樹園・菜園が占めている。ここには典型的とはいえない「台所隣接トイレ」(上図①の入口10付

  • 古代ローマ・トイレの落とし穴、その1

    * 稿は、日トイレ協会事務局の求めに応じて『日トイレ協会ニュース』No.15-1、2(2015/4/20;8/1)に連載された原稿の修正拡大版である。ウェブへの転載をご快諾いただいた事務局のご好意に感謝する。 2014年8月末、ウェブ情報で、イギリス、というよりスコットランドの古代ローマ補助軍の要塞の、木簡出土で著名なヴィンドランダ遺跡から、史上はじめて木製トイレ便座の発掘が報告され、話題となった。これまで公共トイレの便座は石製や大理石製が多く発掘されていた。木製も想定されはしていたが、今回はじめてそれが立証されたわけだ。ヴィンドランダの風土や土壌が有機物を分解しにくいので、この僥倖となったのだが、発掘団は「次はスポンジ発見だ」と張り切っている由。私はさすがにそりゃないだろうとたかを括っている。というのは、地中海産が主流のそれが最果ての北国からそうそう出てくるわけはないし、スコットラ

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