熱を帯びる共学化論争。これだけ埼玉県内に公立の男女別学校が多く残っているのは全国でも特異な状況だ。なぜ埼玉では共学化が進まなかったのか。 実は約20年前にも、県男女共同参画苦情処理委員の勧告を機に同様の議論があった。「高校生活を一方の性に限ることは、人格形成、男女共同参画の視点から問題」「公立高校として、性差にとらわれずに個人の能力・個性を発揮するため共学化を早期に実現する必要がある」。2002年の同処理委員の勧告はそう結論付けた。 しかし当時も別学校の卒業生らの強い反発が起きた。県教育委員会はこの勧告に対し「早期に共学化する結論にはいたらなかった」とする報告書を提出。理由として「別学校への県民の強い支持」「各学校の主体性を尊重する必要」を挙げた。 男女が協力して学校生活を送る体験は意義があるとして「将来にわたって共学化を進める立場に変わりない」とも表明。ただ「各学校が共学化を検討する際に