「お金があるのを知っていたら強盗なんてしなかった」。コンビニエンスストアからパンを奪ったとして強盗などの罪に問われた無職の男(54)に、岐阜地裁は28日、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。男のかばんからは逮捕後にお金が見つかり、公判で何度も悔やんだ。 宮本聡裁判官は「耐えられないほど空腹になったのは無計画な金遣いが原因。動機に酌量の余地はなく実刑も十分考えられる」と述べた。しかし、被害が少額で弁償されたことを刑猶予の理由とした。 判決などによると、昨年12月に仕事を辞め、車内で寝泊まりしていた男は、今年2月、所持金が4円しかないと思い込み、果物ナイフを持って岐阜県各務原市のコンビニに入った。店員をナイフで脅し、菓子パンと缶ビール、たばこ(計800円相当)を強奪。近くでパンを食べているところを発見され、逮捕された。10日間余り、何も口にしていなかったという。 逮捕