韓国からのクロマグロの輸入が今年に入って急増している。資源の減少が指摘されるクロマグロについて日本は世界に先んじて漁獲制限に乗り出したが、一方で日本の業者が日本近海で漁獲を増やす韓国から輸入している。資源管理を脅かす事態に、水産庁は輸入を控えるよう異例の指導を行う方針だ。 水産庁によると、韓国からの生鮮・冷蔵クロマグロの輸入量は1〜6月で919トン。2009年の年間輸入量917トンを半年間で超えた。韓国からの輸入は06年以降、毎年1千トン前後で推移してきたが、今年は急増している。 韓国の漁船は主に、東シナ海の日韓両国で管理する暫定水域内で操業する。太平洋のクロマグロの主要漁場のひとつだ。韓国内ではクロマグロを食べる習慣は広がっておらず、漁獲の大半は日本に輸出され、ほとんどが漁場から近い福岡市の卸売市場に入る。韓国産は日本産より1〜2割安いという。 国際機関に韓国が報告した太平洋クロマ