【北京=吉岡桂子、広州=小林哲】中国で停電が続出している。年末に期限がくる国の省エネ目標を達成しようと、地方政府が電力の供給を制限しているからだ。突然の停電で人々の生活や日系企業の工場にも影響が出ている。 「電力の供給は毎日午後6時から10時まで」――。河北省のある村が10月、「無差別停電」を始めたところ、抗議が殺到。村は22日、「エネルギー効率の悪い企業は淘汰(とうた)するが、学校や病院への送電は保障する」と通知を出し、停電は「電線の修理のため」と弁解した。同省のほかの村でも9月、ろうそくが値上がりしたり、ポンプが止まって野菜の水やりが滞ったりした。 中国政府は2010年までの5カ年計画で、国内総生産(GDP)単位あたりのエネルギー消費量を05年より20%減らす目標を掲げる。だが、金融危機もあって省エネへの取り組みが後回しになり、今年上半期は微増。残り半年で約5%を減らさなければなら