印刷 大阪市此花区のパチンコ店で5人が死亡、10人が重軽傷を負った放火殺人事件の裁判員裁判で、殺人罪などに問われた無職高見素直(すなお)被告(43)の第12回公判が12日、大阪地裁であった。前日に続いて絞首刑の違憲性を検討する審理があり、約30年前に執行に立ち会った経験がある元最高検検事で筑波大名誉教授の土本武司氏(76)が弁護側の証人として出廷した。 首が切れたり、即死しなかったりする絞首刑は残虐な刑罰を禁じた憲法36条に反すると主張している弁護側が質問。土本氏は「正視に堪えられず、むごたらしい。残虐な刑罰に限りなく近い」と証言。最高裁が1955年に合憲としたことについては「当時は妥当だったとしても、現在では同じ判断を軽々にしてはならない」と述べた。 裁判員は法令解釈を検討する審理に出席しなくてもいいが、12日午前の審理は裁判員6人のうち5人、午後は4人が参加して始まった。(岡本玄