人口減少危機論のウソ 私ごとで恐縮だが、筆者はセクシュアリティと少子化・人口減少問題を専門としている。専門分野の研究に没頭していると、どうしても他分野には目が届きにくくなる。 そんなとき、信頼できる専門家の存在はありがたい。筆者の場合、文芸評論なら小谷野敦氏、アニメ・映画評論なら岡田斗司夫氏、経済評論なら高橋洋一氏には全幅の信頼を置いている。 そんな中、高橋洋一氏がついに人口減少問題について語った。その名も『未来年表: 人口減少危機論のウソ』(扶桑社新書)。 少子化や人口減少は「国難」ではなく、そこから生じる「弊害」はいかようにも対処可能で、むしろ少子化や人口減少の危機を過剰に煽ることが問題解決を誤らせると、筆者は長年考えてきた。 ゆえに、本書は得心のいく議論ばかりであった。 すでにベストセラーになっているので、内容についてご存じの方がいるかもしれないが、高橋氏の議論に耳を傾けてみよう。
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