歯の浮くような美辞麗句を並べ過ぎではないか ジャニー喜多川は、そんなにすごい人だったのか。 7月9日の午後、彼が亡くなってからメディアで報じられた大量のジャニー礼賛記事を読みながら、長嘆息した。 日本のメディアには、「死んだ人の悪口は書かない」という不文律のようなものがある。だが、あまりにも歯の浮くような美辞麗句を並べ過ぎではないか。 翌日のスポーツ紙は全紙、一面全部を使って彼の死を悼んだ。「キムタク『ゆっくり休んでください』ジャニーさん天国へ」(日刊スポーツ)「ジャニー喜多川さん逝く SMAP、嵐…帝国築いたアイドルの父」(スポーツニッポン)など、最大の賛辞を送った。 スポーツ紙は致し方ないと思うが、朝日新聞も一面で取り上げた。 「1931年、米ロサンゼルスで生まれた。10代で、公演で現地を訪れた美空ひばりらの通訳をし、ショービジネスの基礎を学んだ。その後、日本で、コーチをしていた少年野