交通事故の被害者に過失がある場合、過失の割合に応じて加害者に請求できる賠償額が減額されます。これを過失相殺〈かしつそうさい〉といいます。 自転車事故では、とりわけ過失割合の判定が重要になります。というのは、自動車事故であれば、事故類型ごとの過失割合が予め決められており、どの事故類型に当てはまるかが分かれば、自動的に過失割合が導かれます。ところが、自転車事故にはこのような基準がないので、過去の類似事件の判例を探したり、自動車事故のケースを参照したりして、個別に過失割合を決定する必要があるのです。 自転車同士の交通事故は、歩行者と自動車のような弱者対強者の関係ではなく、対等の関係にあるもの同士の事故という点で、四輪車同士の場合と類似します。そこで、基本的には四輪車同士の事故の過失割合(※1)が参考になります。 しかし、自転車は自動車とは異なった法規制を受けること、また同じ法規制を受けてい