・限界芸術論 「今日の用語法で「芸術」とよばれている作品を、「純粋芸術」(Pure Art)とよびかえることとし、この純粋芸術にくらべると俗悪なもの、非芸術的なもの、ニセモノ芸術と考えられている作品を「大衆芸術」(Popular Art)呼ぶこととし、両者よりもさらに広大な領域で芸術と生活との境界線にあたる作品を「限界芸術」(Marginal Art)と呼ぶことにして見よう。」 鶴見俊輔の基準でわけていくと、 バレエ、歌舞伎、能は純粋芸術 ロカビリーやチャンバラのタテは大衆芸術 日常生活の身ぶりや労働のリズムは限界芸術 絵画は純粋芸術 紙芝居やポスターは大衆芸術 らくがきや絵馬や年賀状は限界芸術 詩は純粋芸術 大衆小説や俳句は大衆芸術 手紙やゴシップやタナバタは限界芸術 他には、祭り、盆栽や酒の飲み方や遊女の身のこなし、花火、5千年前のアルタミラ洞くつの壁画などが限界芸術に相当する。宮沢賢