「引っ越しします」 と書いたところ、ちょっとしたセンセーションを巻き起こした。すわ、あの美崎薫が、(大枚はたいて作り込んだ)「記憶する住宅」を離れて、いったいどこへ行くのかと騒ぎになったのだった。 種明かししてしまえば、行く先はけいはんな(京都/大阪/奈良の中間にある研究都市)の情報通信研究機構(NICT)が作った実験住宅「ユビキタスホーム」。そこに居住実験のために、2週間滞在をすることになったのである。「記憶する住宅」から「ユビキタスホーム」へ。華麗なる引っ越しである。 2週間の滞在で、どうして引っ越しなのかと訝しがられるかもしれないが、短期間とはいえ、机、21.3型ディスプレイ、コンピュータ3台、2週間分の本(1日1冊のペースでの読書を目標としているので14冊)、マイピロー(枕が変わると眠れなくなる質?)など、荷物は膨れ上がり、気分はほんとに引っ越しなのであった。 机やディスプレイも持