インディペンデント映画としては異例のヒット作となった2013年の『ブルー・リベンジ(Blue Ruin)』に続くジェレミー・ソルニエ監督の最新作『Green Room』。作品のテーマは、パンクスとネオナチ集団の闘いだ。 メインストリーム向けのパンク映画ほど悲しいものはない。必要以上のパッチ&鋲を付けた革ジャン主人公が、ティーン向けのファッションパンク本から引っ張ってきた専門用語で会話を交わすも、結局は不自然で、ストーリーも頭に入らず、気持ち悪いまま終幕を迎えるのが世の常だ。しかし、ジェレミー・ソルニエ(Jeremy Saulnier)監督の最新作『Green Room』(日本公開未定)は完璧なパンク映画であり、その表現の真新しさには目を見張るものがあった。パンクバンドのメンバーvs.ネオナチ集団を描いたこのスリラー映画は、無理やりパンク的エッセンスを表現せず、ナチュラルな演技とパンクミュー