壊滅的な打撃を受けた岩手県大槌町安渡地区で、安渡小学校の避難所生活は3カ月を過ぎた。非日常的な生活が日常になってしまった252人の避難者の暮らしには、ある落ち着きが見られる一方、決して解けることのない張りつめた空気が今も漂っていた。 ◇ 4・00 避難所の朝は早い。ウグイスの鳴き声が目覚まし時計代わり。早い人は周囲に迷惑をかけないよう、そろり、そろりと起き始める。洗顔をして散歩に出かける。 7・00 朝食。前の晩に用意したパンと牛乳という献立が多い。 8・00 朝礼は犠牲者への黙祷(もくとう)から始まる。対策本部長の佐藤稲満さん(72)が「仮設住宅ができて入居するまであと1、2カ月。がんばろう」とあいさつ。大槌町を巡回する神奈川県警の警察官から報告があった。「昨日、安渡3丁目で性別不明のご遺体を発見しました」 理容師沢純子さん(43)は夫豊明さん(47)と義父鉄男さん(76)が行