図1 EBG構造の模式図 「マッシュルーム型」と呼ぶEBG構造の写真と断面の模式図である。インダクタンスとキャパシタンスで構成するフィルタが周期的に続く等価回路で表現できる。 図2 アンテナ薄型化の原理 EBG構造を採用すれば、放射効率を維持しながら、アンテナの厚みをλ/4以下にできる。出典:東北大学 澤谷研究室の資料を基に本誌が作成 何の変哲もない網状の金属パターンをアンテナと組み合わせて、アンテナの薄型化を図ったり、利得や指向性といった特性を高めたりする――そんな研究・開発が進められている。この「EBG(Electromagnetic Band Gap)」と呼ぶ興味深い構造を実用化する兆しが、最近になって現われてきた。基礎技術が確立してきたことが背景にある。 EBGとは、対象とする電磁波の波長よりも小さい周期構造を、例えば金属材料で形成するもので、「メタマテリアル(meta