日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が毎年実施している「企業IT動向調査」。その2006年版によれば,「500人月以上の大規模プロジェクトでは相変わらず5割近くで工期遅れが発生」,「大規模プロジェクトでは未だ4割近くで予算超過」,「大規模プロジェクトでは3割近くがシステムの出来上がりの品質に不満」と,企業情報システム開発では,納期,コスト,品質が予定通りに終わらない“失敗プロジェクト”がいまだに多い。 なぜ,企業情報システム開発では,失敗プロジェクトが多いのか。この点を,プロジェクトマネジメントを支援しているベテラン・コンサルタントや製造企業のCIO(最高情報責任者)と議論したことがある。その結論は,理由はいろいろあるが,プロジェクトマネジメントの観点で見れば「オーナーの弱さ」に尽きる,というものだった。 企業情報システム開発プロジェクトの「オーナー(持ち主)」は誰か。言うまでもなく
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