先週の5月26日に、「アジア・シームレス物流フォーラム」https://mf-p.jp/aslf/ のパネル・ディスカッションに参加してきた。このフォーラムは日本マテリアルフロー研究センター(JMFI)が主催する展示会で、国内外の大手物流関連企業が集まっている。コロナ禍が過ぎて3年ぶりにリアル展示となり、来場者数も多くかなり盛況だった。物流関係の催しなので、本サイトの読者からは縁遠いかと考え、とくにお知らせもしていなかったが、SCMの関連テーマもあり、広報すべきだったかもしれない。
![物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3047f408e436fda2c9ded7af217c3455755f5159/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Fpds%2F1%2F202306%2F04%2F47%2Fe0058447_19262111.png)
大学でプロジェクト・マネジメントを週1回教えていることは前にも書いたが、授業は毎回必ず、前回の復習と、学生から出た質問への答えからはじめることにしている。出席シートに質問欄を設けて、そこに気になったことへの質問をかいてもらうのだ。むろん授業でも最後に「質問は?」ときくのだが、だいたいの学生はなぜかその場では質問せずに、紙に書いてくる。 いろいろ出た質問の中から、いつも「本日のBest Question」を選出し、その質問者の名前を明示してほめることにしている。良い質問を考えることは、単に回答を考えるよりも、ずっと価値があるからだ。一般に、マネジメントの問題には正解がない。正解がない中で、自分で考えて決めていかなくてはならない。これは、たくさんの正解を覚えてどれだけ早く答えるかを競ってきた東大みたいなところでは、とくに大切だ。 さて、「マネジメントとは何か」という授業をやった後で、面白い質問
SCMのコンサルティングを主にしていたとき、最もよくぶつかった誤解は、『SCMって、ロジスティックスすなわち物流の改善のことでしょ?』というものだ。この誤解は関門のようにSCMの入り口に立ちはだかっていて、まずこれを崩さなければサプライチェーンの中核問題の解決に踏み込むことなどおぼつかない。 この短いが典型的なセンテンスは、じつは少なくとも3種類の誤解が蔓草のようにからみ合って出来ている。それは、 (1)サプライチェーン = ロジスティクス、という誤解 (2)ロジスティクス = 物流(輸送)、 という誤解 (3)マネジメント = 改善、 という誤解 の3種類である。 こうした誤解の生まれる背景には、ロジスティクスという概念のわかりにくさがある。最近でこそ、この言葉は誰もが知るポピュラーなものになったが、'90年代の中頃くらいまでは、「ロジスティクスとはそもそも兵站のことで・・
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