数学の解説コラムの目次へ 現代数学の「大域解析」「大域幾何」とは何なのか,わかりやすくまとめてみた。 大域解析学とは,簡単に言うと: 多様体上の解析学を,大域的に研究する理論。 コンパクトな(閉じた)多様体上で,ラプラス方程式などの楕円型方程式を調べること。 大域解析学を使うと,何ができるか: 局所的な性質と,大域的な性質とを結びつけることができる。 例えるなら,「木を見て森を知る」ことができる。 大域解析学において,前提となる知識: 微分幾何学 リーマン幾何 リー群論 不連続群 等質空間論,局所均質空間 大域解析学のトピックの例: (幾何学的)変分問題 境界値問題 力学系 共形場の理論,共形構造 作用素環 シンプレクティック幾何学 不変微分作用素 自己共役作用素のスペクトル分解 固有関数展開の理論 Hodge-小平分解 M.Atiyah-M.Singer の指数定理 調和写像の存在定理