米国最大の電力会社であるデュークエナジー(Duke Energy)がフロリダ州にある原子力発電所の廃炉を決定した。1977年に運転を開始したクリスタルリバー原子力発電所(図1)で、発電能力は86万kWある。関西電力の大飯発電所の1基が118万kW(4基合計で471万kW)であり、それと比べて少し小さい規模になる。 クリスタルリバー発電所では2009年の秋に、原子炉を格納した建屋の外壁に剥離やひび割れが見つかり、運転を停止した。2011年に修復を試みたが、格納構造の別の場所に剥離が生じる結果になり、修復の可能性や必要なコストを検討してきた。結局のところ修復に要するコストが相当な規模に膨れ上がる可能性があることから継続を断念した。 廃炉に向けた具体的なスケジュールは今後詰めるが、除染を含めて必要な措置が完了するまでに、通常40年~60年かかるとみている。その間もスタッフによる発電所の監視を継続