第27回のサイバーエージェントでは個人知を組織知に変えるイノベーションの仕組みを紹介したが、それは一定規模の企業だからできる仕組みである。しかしながら、サービス業は家族経営のものも多く、顧客との対面接触でサービスを提供するものが多い。 そのようなまちのサービス業におけるイノベーションは個人のひらめきや力によるところが大きい。今回、紹介する油藤商事は家族経営のまちのガソリンスタンドであるが、日本環境経営大賞地域交流賞など数々の賞を獲得する全国でも注目されるガソリンスタンドである。危機感をバネに固定観念を捨てて見方を変えることで、小さなサービス業も甦ることが可能である。 何もしなければつぶれていく宿命のスタンドに見えた 油藤商事のガソリンスタンドは、滋賀県豊郷町の生活道路に面した、周囲には農地も広がる場所にある。明治から続いている老舗であるが、幹線道路に立地しているガソリンスタンドに取り囲まれ