最近、ロシアで仕事をしていると、買収案件の依頼が特に多い。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)ロシアの調査によると、ロシアM&A(企業の合併・買収)市場の2006年度における市場規模は1110億ドル、成長率は前年度比111%増で、案件数では、2005年の706件から2006年の1210件に増加した。 取引の大部分は、製造業、金融業、エネルギー・公益事業が占め、2006年度における最大規模の案件は、ロスネフチによる別のガス会社の買収で、66億ドルだった。なお、日本企業もロシアで買収や資本参加を検討する会社が増えているが、投資先としては中小企業が多い。 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の焦げ付き問題の影響で、世界的にM&A案件が減っている中、どうしてロシアでは例外的とも言える「うねり」が渦巻いているのだろうか。その背後には、ロシアの銀行産業は発展途上で、旺盛な資