「正直、パーフェクトな合意とは言い難い」(ラインフェルト首相) 「ないよりはましだが、熱望していたものとはかけ離れている」(バローゾ委員長) それは、見方を変えればEUの敗北宣言ともとれる会見だった。ポスト京都の新たな枠組み作りを目指したCOP15(第15回気候変動枠組み条約締結国会議)で、EUは思惑通りの指導力を発揮できなかったことを、自ら認めたのである。 「2050年までに排出量半減」も削除される想定外 EUは、京都議定書の下で、温暖化ガスの削減目標を定めた国内法を整備している唯一の国・地域である。 2005年にEU域内に導入した排出量取引は急成長を遂げ、バローゾ委員長も当初は、「EUの排出量取引制度は世界の炭素市場のバックボーンになっている」と発言するなど、温暖化対策の先駆者として交渉をリードすることに自信を表明していた。 だが、結果はEUが望んだ合意とはほど遠い内容となった。 法的