(2010年5月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州は、ユーロ防衛のための総額7500億ユーロの金融支援策で時間稼ぎをした。だが、長期的な問題は残ったままだ。 欧州連合(EU)加盟国の大部分は、分不相応な暮らしをしている。政府の財政赤字は手に負えない状態で、公的部門の債務は増加している。欧州各国の政府が稼いだ時間を使って歳出を制御しなければ、金融市場は再び危険なほど落ち着きを失うだろう。 残念なことに、欧州の有権者と政治家は、行く手に待ち受ける緊縮財政の時代に対して全く覚悟ができていない。 「ライフスタイルの超大国」の落とし穴 筆者はかつて、欧州は正しい道筋を見いだしたと思っていた。米国は軍事的な超大国になればいいし、中国は経済的な超大国になればいい。欧州はライフスタイルの超大国になる――というものだ。 欧州の帝国が世界を支配していた時代は過ぎ去った。だが、それはそれで一向に構わ