宇宙から流れ落ちる生命力を形成する“Es“。それは死であり再生であり、彼女の作品を通してさえも、実際には見ることのできぬ霊的な力。彼女は祖母の埋葬に関する記憶により、死へのつよい恐怖を抱き、よく言われる「肉体から溶け出した自我は宇宙へと拡散する...」そのような認識を持っていたそう。泥をひたすらに頭から被るように、沼に全身を浸すように、彼女は大地と調和することを求めていた。美しい赤い糸からは「距離」「繋がり」「生命力」などを感じ取れる。“Sie wohnt in Berlin.“ このように初歩のドイツ語さえも彼女は話すことが出来なかった、という可能性もありうる。しかしながら彼女には何処へ居ても生き抜くだけの力を発揮していた人なので、作品を評価されてからはオーケストラの舞台演出など任されることもあった。最後の展示は少しあぶない。