政治家は新聞くらいしか読まないし、忙しい新聞記者は財政当局の説明をそのまま流す。日本の財政当局は金庫番的発想しかないので、マクロ経済を運営をする上で、緊縮なのか、放漫なのかも分からない内容だ。それゆえ、「アベノミクスは大規模な財政出動をしていて、バラマキをやめれば、財政再建はできるはず」といった、事実に合わない誤った言説が横行したりする。 筆者も政治家に説明した経験があるが、政治家は思い込みが強く、誤った認識を正すのは一苦労だ。正直、頼まれても、遠慮したい。とは言え、誤った認識のままでは、この国のためにならないので、今日は、ポイントだけを、かみ砕いて書くことにしよう。選挙の行方はどうなるにせよ、終われば直ぐに、補正予算と来年度予算への基本方針を決めなければならない。何も分からないままデフレ予算にして欲しくない。 ……… アベノミクスが始まった2012年度予算の補正後の歳出額は100.5兆円