2024年5月29日 田中 宇 イスラエルやパレスチナをめぐる話の隠された本質は、資本家ユダヤ人vsシオニスト(建国運動家ユダヤ人)vs大英帝国(英米覇権派)という三つ巴の暗闘であると、私は考えている。 19世紀末にシオニズム(ユダヤ民族主義、イスラエル建国運動)が生まれる前は、三つ巴でなく、18世紀後半の産業革命+国民革命以来の、資本家vs帝国重視派の暗闘だった。 (資本の論理と帝国の論理) (覇権の起源) 国際資本家は、産業革命を世界中に拡大して世界各地の諸国を経済発展させて儲けたかったが、世界各地に強国ができると大英帝国の支配が崩れるので、帝国派は反対・妨害した。本質的に、資本家は利益を極大化する多極主義であり、帝国派は支配を極大化する一極主義である。 (チャチな資本家は一国内で儲ければ満足なので帝国支持だが、国際資本家は違う。英国は、分前の一部をフランスやドイツなど他の列強に与えて