宗教と政治のかかわりが如実に表われるのが選挙だろう。4月の統一地方選に公明党の支持母体である創価学会はどのように臨もうとしているのか、ジャーナリストの竹中英二氏がレポートする。 * * * 学会選挙の特徴は、「完全勝利」を目標に掲げ、それを実現させてきたことだ。 過去2回の統一地方選は全国に1700人以上の候補者を擁立し、全員当選させた。 この「1人も落選させない」ことがいかに重要かを物語る出来事が前回(2007年)の統一地方選の投開票日に起きた。 その日、公明党本部の選対本部に詰めて開票状況を見守っていた太田昭宏・代表(当時)は、深夜、ほぼ全部の選挙区で当選が確実となると、安心して党本部から帰宅の途についた。 ところが、そこに一報が飛び込んだ。北海道美瑛町議選で、公明党候補と共産党候補が最下位で同じ得票(400票)となったのである。同数の場合、公選法の規定に基づいてクジで当選者を決める。