精神障害者や精神科病院は怖い。そういう思いを抱える人も多いのではないか。精神科病院のソーシャルワーカーとして働いて、4年目の奥井さん(仮名・44歳)に話を聞いた。 奥井さんは奈良県で生まれ育った。高校卒業後、難病のお父さんの介護のために、旧ヘルパー2級の資格を取った。資格を取った奥井さんは、実務経験を身に着けるために、高齢者向けデイサービス事業所に勤務するかたわら、休みの日は訪問介護のヘルパーとして働くハードワーカーだった。 「かけもちしたのは、利用者さんの家での様子、通所先での様子のどちらも知りたかったからです。在宅のとき、デイサービスに通っているときでは、別の顔がありました」 お父さんの介護は、結局、最期に関われただけだった。だが、奥井さんはオールマイティーに対応できる介護職を目指し、仕事にまい進した。 介護付き有料老人ホームでの3年の実務経験を経て、介護福祉士の資格を取り、ヘルパー事