一、明日の日本を、世界を担うことになる新世代の皆さん、今の社会をどう思いますか? 合理的思考があれば危機感を持たざるを得ないはずだ。でありながら、何やっても無駄だ、と不満と虚無感のみ漂う大衆民主主義の中で埋没してないだろうか。否、自分でやれることがある。社会的責任を果たすだけでなく、自分を含めた社会のあり方を所与でなく対象として考えられる場、それが財務省だ。 二、そこで、君の一度しかない人生を賭けるに当たって、財務省という選択肢を、過去、志望者から聞かれた質問の一部に答える形で説明しよう。 財務省の使命は減じたか。 私の経験からは逆だ。変質したが、寧ろ、より高度で大きい仕事が期待されている。私の入省時、55年体制といった構造下、絶大な権限をもちつつも、制度の円滑な運営者、時には、言語ゲームの肝煎という側面さえ感じられた。そして、黒澤の「生きる」をみて、何か変えたい、と素朴に思いつ