『東京新聞』(2014年4月13日)の書評欄「読む人」に、映像作家の森達也氏による堀川恵子著『教誨師』(2014年1月30日、講談社、本体1700円・税別)の書評が掲載されました 本書は、ほぼ半世紀にわたって東京拘置所で死刑囚の教誨を勤めた、浄土真宗本願寺派東京教区芝組當光寺前住職渡邉普相師の記録です。「この話は、わしが死んでから世に出してくださいの」と、著者との約束があったそうです。渡邉師は2012年12月1日、82歳で往生されました。生前は、全国教誨師連盟の理事長も務められました。まさに本書は、渡邉師の遺言です。 著者はいいます。「許されざる罪を犯し、命で償えと送られてくる死刑囚。彼らの未来は、それ以上でもそれ以下でもない。反省や厚生ではなく、究極の『罰』を受けること。それが、社会が彼らに求めた最後の仕事だ。そこに宗教者が乗り込んで、何か出来ると思うことのほうが間違っている。そう考えた