「なあ榛名、次ISの実習だから一緒に着替えようぜ」 「あ、ああ」 「……」 不穏な視線を背後に感じて、肌が粟立つ。 視線の主は恐らく、篠ノ之箒とセシリア・オルコットだろう。おれの手を取って教室をあとにする織斑一夏に好意を懐いているから、いつも一緒にいるおれに嫉妬しているのだろうが、声を大にして言いたい。 おれは悪くない。 「榛名ってさ、華奢だけど引き締まった良い身体してるよな」 「そ、そうか?」 「ああ。意外と鍛えてるんだな」 おれの肢体を上から下まで眺めながら、気持ちの良い笑顔で一夏が言う。 クラス担任の織斑千冬女史譲りの美形なだけあり、その微笑は爽やかでクラスの女子を虜にするのも納得であったが……なぜ着替え中の男子の裸をジロジロと見つめながら、そうも爽やかに笑えるのだろうか。 「ISスーツって機能性を重視してるらしいけど、着心地も良くして欲しいよなー。俺いつも股間が引っかかってさー」