「何が起こるか分からん」といい続け、昨季後半に怒涛の8連勝で大逆転でCSに出場した西武の中心だった栗山巧。キャプテンを務め、チームのムードを大いに盛り上げた。 昨シーズンの終盤戦に差し掛かったころのことだった。 ロッテvs.西武の試合前のダグアウト。雨が本降りになり、試合の中止が予測されたこともあったのだろう、西武の秋山翔吾が、いつもより少しリラックスした表情で記者たちと談笑していた。 あまりに長い立ち話だったこともあり、そばを通りがかった選手たちが一様に秋山を“イジって”いた。 主犯は栗山巧。秋山の受け答えに、いちいち突っ込んでいたのだった。 その時、横を通りかかったある投手が「まだ喋ってんの?」と言葉を発した。「俺だったら、自分の調子が悪い日は喋らない」。そのひと言を聞いた、栗山の表情が一変した。 「そんなんアカンよ! 俺たちには喋る義務がある。記者の人たちだって、仕事なんやから。俺は