ゆるキャラブームが盛り上がる中、伝統を重んじる寺院でも、次々と新しいキャラクターが誕生している。寺関係者は「寺の堅苦しいイメージを和らげたい」と、伝統仏教の若者離れ対策の切り札として期待する。 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)は4月にキャラクター3点を製作した。僧衣を身に着けた獅子「鸞恩(らんおん)くん」と、勤行(ごんぎょう)集をかたどった「あかほんくん」、ハスの花を模した「蓮(れん)ちゃん」で、160点の応募から投票で決めた。同派の門信徒数は60年前より約80万人少ない約550万人。同派参務の黒川紘紀・隨順寺住職(富山県南砺市)は「参拝する若者や子どもがどんどん減っている」と危機感を持つ。2011年の親鸞聖人750回御遠忌(ごえんき)に向けた行事に登場させ、関心を集めたいという。 浄土宗(総本山・知恩院、東山区)は、作務衣(さむえ)姿の子ども「なむちゃん」の着ぐるみを作った。1