日産自動車の無資格検査問題で、第三者調査の全容がわかった。近年の生産拡大に伴うシフト改編や、団塊世代の退職などで各工場の検査員が不足したのに、有効な手段を講じなかった実態が判明。工場に何人の有資格者がいるのかすら把握しないなど、経営陣の検査に対する意識の薄さが、現場の規範意識を鈍らせた疑いも浮かんだ。 日産は近く、この調査結果などをもとに改善に向けた報告書をまとめ、国土交通省に提出する。 調査によると、無資格者による検査は1980年代から続いていたとの証言がある一方、近年、生産拡大に伴って検査員が不足したことが、無資格検査の原因・背景になっているとの証言が多かった。 国内向け生産が多い追浜(おっぱま)工場(神奈川県横須賀市)には2016年秋、国内生産拡大を目指す社の方針のもと、主力車種「ノート」の生産が移管された。昼だけだった生産体制が昼夜の2交代制になり、検査員が不足した。工場にとっては