歯列矯正、エラボトックス、埋没二重、小鼻縮小、二重全切開など、整形手術に400万円かけてきた真波さん(編集部撮影) 外見によって人の価値をはかるべきではない――。「ルッキズム」とは容姿の美醜による差別の意味でしばしば使われるが、それでも自分の基準で「美しくありたい」と思う人は多くいる。自らの外見を変えることによって、その人たちが手にしたいものは何なのか。「美しくありたい」の背景にあるものを追う。 【漫画】在宅疲れの人がハマる「第2の家」意外な居心地 ■「みんなの末っ子」として愛されてきた 春の雨がアスファルトを叩く渋谷センター街。 煌々と輝くカラオケボックスの一室に、黒のセットアップを纏った金髪の女性が駆け込んできた。葉月真波さん(仮名、25歳)。約束に遅れたことを詫びたはずみに、ショートヘアから雨の雫がきらっと跳ねる。その顔に“整形美人”のイメージはない。彼女はネバーランドに住むあの少年